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『三河国名所図絵 絵解き散歩』(松岡敬ニ編著 風媒社 2018年発行 本体1700円+税) – わいわい川合
『三河国名所図絵 絵解き散歩』(松岡敬ニ編著 風媒社 2018年発行 本体1700円+税)

豊橋の夏目可敬によって1844(天保15)年に着手されながらも死後70年を経た1933(昭和8年)にようやく日の目を見て上中下3巻が出版されたという『三河(参河)国名所図絵』。「名所図絵(図会)」とは今なら「じゃらん」や「るるぶ」のような観光ガイドブックだったらしいのですが、それを豊富な絵図と現在の写真でていねいに解説しています。

東・西三河で「三河国」なのですが、うれしいことに地元川合近辺の自然造形についてのページが全体の1割近くあり、以下のとおりです。(「写真」の後の数字は写真の枚数)。
有名な景観をいくつもダム建設(豊川用水)のために失ってしまったことがわかります。


p. 66 豊川・鳳来寺鉄道沿線名所図絵
p. 67 写真1葉(鬼石)
p.113 コラム「名所図絵にない奇岩獅子岩」 写真(うめの湯から見た獅子岩、他2)
p.114~ 石橋と乳岩 名所図絵から「川合村 石橋」、写真3葉(乳岩)
p.116 コラム「乳岩と絵葉書」 写真(絵葉書2葉、バリバリノキ2葉)
p.117 コラム「『日本風景論』と石門」 写真2葉
p.118~ 阿弥陀様の姿が現れる渓流 名所図絵から「阿弥陀ヶ瀬」 写真3葉(蝉が滝、女郎岩、烏帽子岩)
p.120~ 滝壺計り知れず川合村穴滝 名所図絵から「川合村穴滝」 写真(穴滝3葉、他1葉)
p.122~ 良質の砥石原石を切り出す 名所図絵から「名倉砥を切り出すの図」 写真4葉

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※ 川合の山本隆氏により『三輪村史 第2集』(1952(昭和27))にその模写が収められた「川合村 石橋」も、ここに掲載はできませんが下のように絵解きがなされています。

※「川合村 穴滝」「阿弥陀が瀬」についても同様のページがあります。


※ 『三輪村史 第2集』第八編の「名勝としての乳岩とその附近」で引用されている志賀矧川(志賀重昂)著『日本風景論』もコラムで登場しています。(第13版の表紙が川合の石門(切通)なのだそうです)

※ 『三河国名所図絵』だけでなく、『豊川・鳳来寺鐡道沿線名所圖繪(観光パンフレット?)1923(大正12)年』なども取り上げ、1923~1933(大正12~昭和8)の10年間鉄道の終点であった川合の景勝が、鳳来寺山や湯谷と並んで鉄道事業にとって重要な集客資源だったことが分かります。
(乳岩、鬼石、胎内潜り、石門、穴瀧、蝉が瀧、阿弥陀が瀬、等が観光スポットとして絵巻風イラストに登場しています。)


※ コラムで紹介されている乳岩の絵葉書は同様の10枚が愛知県図書館の絵葉書コレクションでも見ることができます。

▲「石門(三河川合 乳岩)」とあります

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